「カレー」と「薬膳」がリンクしている、南インドカレー料理を紹介するこの本は、カレーの薬効が巷にではじめたよりもずいぶん前から出版されていました。写真や図などがないため、ちょっとはじめはわかりづらいですが、著者の熱い思いが伝わってきます。一息で読んで、思いっきり感化されました笑
普通にエッセイとしても楽しめる内容で、そんな中、スパイスの豆知識がちりばめられています。カレーのレシピはその途中に紹介されているような印象すら受けます(笑)。逆にそのおかげで、妙に身構えずに、レシピというものを見れたのかもしれません。
お店や商品で、よく○○種類のスパイスを使って…!という売り文句のカレーをよく見ました。たくさんスパイスを使う=すごい。こんなカレーへのイメージが巷にあったきがしますし、今も結構そうかもしれませんね。当時、自分はいろんなスパイスを集め、混ぜてカレーを作り、何種類入れたかな…なんて、その種類の多さを数えて自己満足、でした。
この本はそんな「たくさんスパイスつかう=すごい」という(いや、結構たくさんスパイス使っておいしくするのももちろんすごいと思うのですが)、自分の思い込みを吹き飛ばす一冊だったのです。
「南インドカレー」は、多くの種類・量のスパイスを使わないというのが特徴です。厳選した少ないスパイスの個性を引き出して、存分にその個々のスパイスを楽しめるような作りなんですね。野別熊なしにスパイスを収集していた(また、入手しても用途も不明だったものも多かったという笑)自分はびっくり&反省です。
この本との出会いは、「とにかくスパイスを擦って混ぜ、カレーにして食べ続けてみる」トライアルを毎日続けて半年ぐらいたったころでしょうか。どうやってこの本の存在を知ったのか思い出せないんですけど、「体に良い」的な方向性から調べていて「薬膳」という表現を見て即買いをしたきがします。
スパイスだけでなく、カレーに使われる具材にも薬効が書かれていて、カレーじゃなくても十分役に立つ知識が手に入れられました。
いまではかなりの「カレー」や「薬膳」なレシピ本が出版されていますが、これはぜひ、その中でも手に取って読んでいただきたい一冊です。