つのだじろう先生作の漫画を原作としたホラー映画です。
ご存知の方も多々いらっしゃると思いますが、怖い内容の新聞が突然届いて、なんとそれが未来の新聞、実現し続ける恐ろしい事件。この発想、すごいですよね。
この映画は、AAA の真司郎さんが主演しました。監督はあの大森研一さんです。
劇中全体の作曲をわたくし荒川仁が担当しました。ちょこっと入るギターサウンドは東京ClockWiseのギタリスト神蔵守が担当しています。
「恐怖新聞」のフライヤー
こわいおんがくをつくる 怖いってなんだ
ホラー映画の音楽作り、は「なんかこわいかんじ」の音色、和音、を確かに使いました。
しかし、たとえばストレートなお化け屋敷などの「ひゅーどろどろ」といった古典的な、こわいぞこわいんだぞーと思わせるものはほぼ作りません。
ちょっと昔は、もう「怖い」という前提のものを作って「怖がって」もらうという純粋なものだったのかな、と捉えています。要は、表現・提供する側と鑑賞・受容する側の立場が最初から作られているということで、ちょっと前のお笑いなどの場でもそれが言えると思うのです。
如何に両者のつながりを濃くしてやり取りの一体感を作るかは確かに大事ですね。
映画は、より写実的になって、よりリアルな体験の中での映像が作られていきます。
また、はじまるときにみなさんがどんな心理状態かわかりません。千差万別でしょう。中には「ほんとにこわいのか?どれみてやろう」みたいなお方もいらっしゃるかもしれません。
怖さの種類はいくつあるのだろう
ですので、「すごくこわいんだぞー!!」という音楽と「こわいという状況」の音楽は、ちょっとジャンルが違うと思っています。というかすごく種類があるとおもいます。
ちょこっと上げただけでも
<1>「驚かせる恐怖」or「じわじわくる恐怖」
<2>「説明できる事象」or「理不尽な事象」
<3>「主人公のメンタルが保たれている」or「主人公がパニックになっている」
もっともっとあると思いますが、いちばん大事なのは「何に焦点をあてているか」で、ここは必ず監督と話し合います。この方向性を間違えちゃうと伝わり方が違ってきて本来見せたい内容をお伝えすることが難しくなります。
音階のある音と効果音の「あいだ」
効果音も大変活躍しました。音楽というと五線譜に音符を書き込んでいくイメージが湧きますが、それ以外の性質の「音」を多く使います。これは「音響効果」のMAさんが行うこともありますが、それに頼りすぎず、曲の中に入れる雰囲気を表すアンビエントな音や、アタック音などはとても重要視しています。
また、スネアの音をピッチさげてぼぼーん!!みたいな音を作ったりします。ここはMAの方との兼ね合いですね。別でトラックを作ってお渡しして判断をおまかせしています。
名前が荒川仁志、となっていて少し悲しいのですが、荒川仁が正解です(荒川)