① 囲碁は何を使うの? はじめての囲碁
囲碁の道具を見た、触ったことはありますか?例えば、書道や茶道にも道具がありますね。「茶道具」「茶器」と言って、またそれぞれ価値があったりして、歴史的にも価値があるものは「名物」などと呼ばれたりしますね。
日本の文化の特徴は、専門の道具があり、用途から歴史的価値まで、様々なバリエーションを持っていることだと思います。また、道具を慈しみ、大切に扱い、保管する。そう言ったと特徴も世界が注目する重要なポイントの一つと言えますね。
同じく、日本の誇る文化である囲碁にも、囲碁の専門の道具がしっかりと存在します。
見たことがある人も、その「正式名称」を確認してみましょう。
基本的に、囲碁を嗜もうと思った時に最低限必要なものは「碁盤」、「碁石」、そして碁石を入れる「碁笥(ごけ)」の三種類です。
写真で碁石が三個入っているのは、碁笥のフタです。フタもこのように碁石を入れるため使いますので、写真がそれを表してくれています。
この他にも、囲碁を楽しむための補助的な役割を持つ道具や、お手入れのための道具、勉強や記録のための道具がありますが、今回はシンプルな説明にしておきます。
基本的な囲碁の道具は、①碁盤 ②碁石 ③碁笥 の三種類
もし、三点セットで気軽に手に入れてみたい!!という方はこちら↓も見てみてください。
②「碁盤」はどんなもの?
「碁盤」は何か、またどんなものがあるのかをご説明します。
テレビなど、プロの試合などで使われている碁盤には、線が縦横に19本の線が引いてありまして「19路盤」と言います。どんな種類があるかみてみましょう。
【1】脚付き碁盤
これがいわゆる、「サザエさんの波平さんが縁側で打っているようなイメージ」の、昔ながらの一般的な「碁盤」でしょう。
正座して和室で打つための碁盤なので脚がついていて、また、碁盤の厚みもけっこうあるので、高さもあります。薄い→厚みがあるほど価格が高くなるようですね。
洋室で脚付き碁盤を使って囲碁を打つ場合は、さらにこの碁盤の下に専用の台を敷いて、椅子の高さに合わせることもあるようです。
【2】卓上碁盤
椅子を使って囲碁を打つ場合、碁盤を置く時にはこの「卓上碁盤」をテーブルに設置します。
厚さは脚付碁盤よりは薄く、一寸から二寸ほど。二寸盤は普通のテーブルに置くと、やや打つ時に高さが出てくるので、二寸盤を置く場合はその分テーブルの足の長さを短くしてある机を使っている場合もあります。碁会所などではそうしているケースが多いですね。
「それなら、机の足を短くしないで一寸盤や、それより薄い盤にすればいいのに」と思ってしまうかもしれませんね。
なぜ、二寸盤がメインなのか。これは使ってみないとわかりませんが、二寸盤の方が打っていて「心地よい」からです。これを「打ち味」と言います。また、碁盤のお手入れをする時、面を削って線を引き直すので、厚い方が長持ちします(そういう意味では脚付碁盤は格式が高いと言えますね)。
初めての人はそこまで気にしなくても良いかもしれません。
【3】ゴム製・革製の碁盤
収納や保管が楽なのと、静かに打てるということで、薄い碁盤も人気があります。囲碁を初めて間もない入門の人や、学生の部活などでは活用されていることが多いようです。
【4】小さいサイズ!練習用の碁盤
子供達や、囲碁を始めたばかりの人たちのために、ちいさな練習用の盤があります。様々で、7→9→13といったサイズでだんだん大きくして、初めての人も徐々に慣れていきながら、習って上達していくことができます。
③「碁石」はどんなもの?
碁石は、上から見ると円くみえますが、横から見るとこのようにフットボールのような形をしています。これは持ちやすいように、打ちやすいように工夫されているのです。また、黒が少し大きかったり。なかなか高度な技術ですね。
また、碁石は、個数が決まっています。19路盤で打つのに必要な数が碁笥に入ります。
黒石 181個 白石 180個
計算すると361個です。19路盤の碁盤の交点に敷き詰めると全部埋まるんですね。
材質も、伝統的なハマグリ、最近のガラス碁石、簡易なプラスチック、色々あります。
ここでワンポイントアドバイス。小さな碁盤のセットを買って、あとで碁石が足らなくならないように気をつけましょう。
④「碁笥」はどんなもの?
「碁笥」は、前にも書きましたが、「ごけ」と読みまして碁石を入れる入れ物です。
独特な形をしていますね。大体大きさに種類ありまして、「平型(大)」「特大」「超特大」があります。これは碁石の厚みによって変わります。
碁石がパンパンに詰まっているのは実はNGと言われています。大体碁笥の8分くらいまでに全部碁石が入っている状態が良いとされています。持っている碁石と合わせましょう。
フタはひっくり返して使います。囲碁は、相手の碁石を取るシーンが出てきます。とった相手の碁石は、この自分の碁笥のフタに入れるのですね。
⑤ 碁盤と碁笥の設置位置
【1】脚付碁盤での対局時の設置
脚付碁盤での和室・正座で打つときは、碁笥を碁盤の手前真ん中に置きます。
【2】卓上碁盤での対局時の設置
基本的に、利き手の方に碁笥を持ってきて、フタは相手に見えるようにします。取った碁石がわかるようにするためですね。
昔は必ず右手で打つよう、左利きでも右手に矯正させられたこともありましたが、近年では左利きの人も多く、海外のプレイヤーも増え、また、右脳を使うためにあえて「左手で打つ」というプロ棋士もいるくらいになっています。
⑥ 碁石の持ち方と打ち方
碁石には歴史ある持ち方、打ち方がありますので、ここでご紹介します。
囲碁を打つ時には必ず行う動作です、しっかり打てるように練習しましょう。
もちろん、石を指で掴みにくかったり、まだ小さな子供、など、困難でしたらどんな持ち方でも構いません。
【1】碁石を、人差し指と親指で、まずは自然につまみます。
【2】人差し指を内側に持ってきて、爪の方に白石を迎え入れます。
【3】中指は親指からパスされた面、人差し指は爪側のもう片方の面で、白石を持ちましょう。
【4】人差し指は下に添えるだけ。中指のはらで打ちましょう。
どうでしたか??古くから打たれているやり方で、碁石を持ってうまく打てると、なんだかカッコ良い達人っぽい気がして楽しくなってきますよ。
碁会所にいくと、良い木の材質の碁盤や、ハマグリなどの碁石が置いてある事がありますのでぜひ、打ってみましょう。自分にとってのお気に入りの材質やサイズの碁盤・碁石を見つけるのもとても良いと思います。
⑦ 棋具を使うときの注意事項
ここではスタンダードな、木の材質の碁盤や碁笥、ハマグリやガラスの碁石、の取り扱いについて記載します。素材が自然のものなので、手荒く扱えば当然傷付いたり壊れたりします。
碁盤は、「打ちやすさ」や「うち味の良さ」を追求して作られており、意外に表面は柔らかいので取り扱いには注意が必要です。
よく私も、子供囲碁教室などでもしっかりと棋具の扱いを教えています。碁盤は神聖なものとして厳しく管理する教室も多いです。注意事項には当たり前のことが多いですが、マナーと並んで、とても大切なことですね。
1、碁盤の上に碁笥や碁石以外の物は置かない。→マグカップの跡などがつくと汚れが取れません。
2、碁盤の上で書き物をしない。→碁盤は柔らかいので、書いた時にペン跡が写ってしまう事があります。
3、碁石を投げたり、荒く扱ってはいけない。→碁石が割れてしまいます。
4、碁石を強打してはいけない。→相手に失礼なだけでなく、碁盤も傷付き、碁石も割れやすくなります。
5、碁笥はそっと盤におく→碁笥が割れやすくなり、碁盤にもダメージがあります。
囲碁の基本的な道具をご紹介しました。これさえあれば囲碁ができる、というポイントから、棋具の扱い方などもちょこっと触れました、お役に立てれば幸いです。
もっと気になる方は合わせてお手入れなどの特集を見てみてくださいね。