【囲碁】目的達成できる!囲碁「見合い」の考え方【豆知識】

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1つの物事に向かって突き進んでいても、なかなかうまくいかない時

目標に向かって頑張って行っているのにうまくいかない
なんてことはありませんか?

私はあります。おいしいご飯が食べたくて、よし!!あそこに行こう!!って行ってみたら休みだったり。目的地の駅に行こうと思ったら、乗る予定の電車が事故とかで運休していて立ち往生したり。途方に暮れてしまうなんてことがありました。そう、囲碁を覚えるまでは…(うそ)

 さて、囲碁には、自分で決めた「目的」を達成するための考え方がたくさんあります。

無意識のうちに仕事や日常生活の中で活きてくることもあるでしょう。
古代の王様や大名が国を統治するために、また経営者のスティーブジョブス・ビルゲイツが習ったという、囲碁の考え方の根っこを掘り下げてみたいと思います。

その前に、囲碁のルールを再確認してみましょう。初めての方でも大丈夫。

このルールは、「囲む」を書いて「囲碁」という大事な要素の一つです。

さあ、お気づきになりましたでしょうか?

「1つ」の相手の石を囲んで獲得するには「4つ」碁石が必要なのです。

そして、ちょっと当たり前すぎて気がつかない、囲碁の重要なポイントは、

自分の番に1つ石を置いたら、必ず次は相手の番、です。

サイコロ振って出た目の数だけ石が置ける、とか、チャンスカードでもう一回とかあればいいんですけど…笑

つまり、2番目の図の「アタリ」は次が相手の番になってしまう。なので回避されてしまうという可能性がかなり高い。いかがでしょうか。下の図で確認してみましょう。

【図1】頑張ってアタリする黒。
【図2】逃げる白。より取りづらくなってきた…

黒1とアタリしたのに、白2と逃げられてしまった!!!という図1、図2の変化をみてください。
しかもご覧ください。白2と逃げた後、白石は「タテとヨコ」につながった2つの石になりました。

あと、黒は白を取るために、いくつ必要になるかというと…そう。3つ!!
さっきより苦労しそうな予感がしますね。

そうなんです、囲碁は、一つのことだけに執着して、この図のように1つのターゲットを取ることだけに固執してしまうとうまくいかないんです。固執、執着、なんていうと語弊がありますが、頑張り屋さんほどこの場面に陥ってしまい、悩んでしまうことが良くあります。
現実世界でもよくありますね…色々浮かぶなあ…

1アクションで2つ以上の目的達成ルートを確保せよ!!「見合い」

1つのだけ石を狙って、「取るぞ!」と思って追いかけていてもうまくいきません。
なぜなら次は相手の番だからですね。
もし、「白石を1つでいいから取りたいものだなあ」と思ったとしたら
どんなシチュエーションで、どうしたらいいでしょうか。

さて、ご用意しました、この図をご覧ください。

一体、どの白石を狙うと白石がゲットできるというのか…

この図の中に潜んでいる「必ず白石が取れる」場所を探してみましょう。

探すコツは、アタリできる場所を探すこと。なんと5カ所あります!!

見つけることができましたか?
さて、この中から「白石を1つとる」という「目的達成」ができる場所をさらに探ってみましょう。

例えば…

【図1】この黒1のアタリは…?
【黒2】白が逃げた後は難しいかも

右側【図1】の黒1をみてみましょう。はい、アタリですね。
あと一手で白石を取ることができそうです。
ただし…次は白番なので、

左側【図2】の白が逃げてしまうと、白が3つの石にタテとヨコでつながってしまいました。
よくみてみると、白石は後3つも黒石を置かないと取ることができません。

つまり、さっきの黒石三人衆と同じ結果に…

労力をかけて、白石パワーアップさせてしまった…

ズバリ、答えはこれ!!

まさに!どちらの白石にもアタリしているという、スーパーストーンゲット現象です。
(注:スーパーストーンゲット現象という単語は囲碁用語にありません。)

一回に打てる碁石は一つです。これは自分だけでなく、相手にも同じ条件です!!
ゆえに下の図のどちらかの結果になります。

片方の白が逃げたら、白❌の石を取れば良い。
もう片方の白が逃げたら、やはり白❌を取れば良い。

どちらかの白石は必ず取ることができます。これは「両アタリ」という囲碁の石を取る技「手筋」の中の一つです。かっこいいですか?

囲碁ではこの状態を「見合っている」と表現し、「見合い」といいます。

見合い本武蔵

まとめ 囲碁の考え方に基づく「問題解決」や「目的達成」への道!

いかがでしたでしょうか。

「目標達成」に対する「見合い」をご説明するにあたって、「石を取りたい」目標に対する、手筋の中でもわかりやすい、「両アタリ」を例に挙げてみました。

他にも目的はたくさんあります。「多くの陣地を取る」「敵の陣地に切り込む」「陣地を増やすか敵陣を減らす」「敵が来ても大丈夫か」などなど、囲碁をやっていくうちに様々な問題や目的が出てきます。

我々は常に毎日「一手」を打っています。

もちろん動きの早い人もいれば、機械で早めたり、様々な人と手段が世の中にはありますが、

「1アクション」をお互い同等に行うとする。
問題・目標を「1アクション」で解決・達成するルートを複数考える。

囲碁を習った人が日常生活でその考え方を生かせている場合、必ずこの考え方が反映されてるといっても過言ではありません。

みなさん、「新宿駅から東京駅に行く」時に何通り思いつきますか?


読んでいただいてありがとうございました!!

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    この記事を書いた人

    音楽関係と囲碁関係の仕事を長い間、続けています。
    どちらも本業、その両立は中々に大変です。仕事量と締切に追われ倒れてからは、食の方に目を向けてスパイス・カレー・発酵などを研究。
    音楽は、作曲とバンドマスター、囲碁は入門初級インストラクターと店長的マネージメント。時たまカレー屋さん。
    様々な2歳〜90歳範囲の人々と日々ふれあい学びを得て、色々な事象の「つながり」を大事にして生きています。感謝。

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